男性の泌尿器科の症状

男性の泌尿器科の症状

  • トイレが近い
  • トイレに行ったばかりなのに、すぐまた行きたくなる
  • 旅行や外出の際に、トイレの場所ばかり気になる
  • 夜中に何度もトイレに起きる
  • トイレが我慢できなくて、スポーツ観戦や映画が楽しめない
  • 尿の勢いが弱く、排尿に時間がかかる
  • 残尿感があってすっきりしない
  • 出し切ったと思っても後から少し尿がもれて下着が汚れることがある
  • 薬を飲んでいるのに思うような効果がなく、改善しない
  • 尿が出ない
  • 尿道から膿が出る
  • 尿が白っぽい
  • 血尿が出る
  • 排尿時に痛みがある
  • 尿もれする
  • むくみがある
  • 疲れやすい
  • 食欲不振
  • 息切れ
  • 陰嚢の痛み
  • 背中の痛み
  • 下腹部の痛み

上記のような症状がある場合に考えられる病気

前立腺肥大症

頻尿や排尿困難など、排尿に関するトラブルが起こる病気で、50歳代以降の男性によく見られます。前立腺は年齢とともに徐々に大きくなる傾向がありますが、個人差が大きく、高齢でも肥大化しない方もいらっしゃいます。
前立腺肥大症は有効な薬物療法が登場しており、手術なしで治療可能なケースが増えています。ただし、手術でなければ治せないケースもありますので、経験豊かな専門医に重症度をしっかり見極めてもらう必要があります。
治療方法には以下などがございます。

ハルナール、ユリーフ、フリバスなど 前立腺部の緊張をとる
ザルティア 前立腺血流の改善
アボルブ 前立腺体積の縮小
エビプロスタット 植物製剤。排尿の不安定さを軽減

その他に漢方などもあります。
上記薬剤の組み合わせや過活動膀胱治療薬の併用も試みられます。
改善しなければ手術療法として、内視鏡を用いた、前立腺組織の電気メスによる切除やレーザーによるくり抜きなどもあります。

前立腺炎

排尿痛や排尿困難、残尿感、頻尿、発熱などの症状が現れる急性前立腺炎は、主に尿道の先から細菌が侵入して起こる感染症です。他に、下腹部痛、陰嚢痛、残尿感などの症状が現れる慢性前立腺炎もあります。早急な治療が必要ですので、できるだけ早く泌尿器科を受診してください。まれに発熱と下腹部痛の症状のみが現れて、泌尿器科以外の診療科を受診し、そこで問題ないと診断されてしまうことがあるため、こうした症状がある場合には泌尿器科にもご相談ください。
前立腺炎は、若い男性の場合、性感染症が原因となっている場合もあります。その際にはパートナーの方にも治療が必要になりますのでご注意ください。中高年の前立腺炎では前立腺肥大症があって前立腺炎になることがよくあります。
症状が比較的弱い慢性前立腺炎は治療が長期化することもあります。
服薬のコンプライアンスの問題(ちゃんと定期内服できてない)や長時間座位、冷えや疲労を避ける、アルコールや刺激物接種は控えめに等気を付けてください。80%は血流の停滞など、20%は感染症によるものと言われています。

前立腺がん

血液で簡単に調べられるPSA(前立腺特異抗原)という腫瘍マーカー検査により、早期に診断されるケースが増えてきています。50歳を超えてから増えはじめ、60代以降の発症が多くなっていますので、50歳になったら年に1度、PSA検査を受けるようにして、検査結果が正常値を超えたら専門医を受診してください。
また、親族に前立腺がんの方がおられましたら、早目の45歳からPSA検査を受けるようにしてください。
PSAが高く超音波検査、触診での総合判断にてがんが疑われれば針生検(needle biopsy)を行います。一般には肛門から挿入した細い針で前立腺の組織を採取します。痛みはあまりなく5分前後で終了です。組織検査結果によりがんが確定すれば、注意深く経過観察をつづけるwatchful waitingもありますが、積極的治療としては手術療法、放射線療法、そしてホルモン療法の3つがあります。上記治療後にPSAの推移をみますが、
再上昇するようなら新薬のホルモン療法や抗がん剤治療(タキソテイルなど)があります。慢性疾患とも言われるものですから慌てずにしっかり治療をしましょう。

膀胱がん

膀胱がんは男性に多く、50歳を超えると発症率が上がり、高齢の男性がなりやすいがんだとされています。
腎臓で作られた尿は尿管を通じて骨盤の内側にある膀胱に送られ、排尿まで一時的にためておかれます。尿の量が一定以上になったら膀胱は脳に尿意を伝え、排尿するという機能も膀胱の重要な役割です。膀胱がんのほとんどは内側にある粘膜に発生します。この粘膜は尿路上皮(移行上皮)という細胞でできており、表在性膀胱がんと浸潤(しんじゅん)性膀胱がんの2つに分けられます。表在性膀胱がんは膀胱の内側に向かってがん細胞が隆起するもので、膀胱がんでは多いタイプです。比較的悪性度が低く、転移もそれほど起こりませんが、治療後に再発するケースが多いという特徴があります。
浸潤性膀胱がんは、自覚症状が現れにくいがんで、悪性度が高く、膀胱の外壁を貫いて進展するケースや転移を起こしやすいことが特徴になっています。
尿検査での潜血反応が陽性で、泌尿器科の専門医を受診して見つかるケースも増えてきていますので、定期的な健康診断でチェックして陽性になったら泌尿器科を受診して早期発見に役立ててください。
治療としては表在性膀胱がんは経尿道的膀胱腫瘍切除術(TUR-Bt)をします。
尿道から内視鏡を入れて電気メスで切除します。浸潤性膀胱がんは抗がん剤治療(M-VACなど)を手術の前後にすることがありますが、主になる手術は膀胱全摘出術に尿路変向術です。膀胱が無くなるので尿を溜めたり出したりする場所を作らないといけません。腸の一部を使うことがあります。膀胱がんの確定診断後に、関連病院などへ紹介となります。3か月ルールといって抗がん剤を術前にするとしても診断後3カ月以内に手術を行うのが良いとされています。

男性更年期障害(LOH症候群)

女性の更年期障害は一般的ですが、男性も更年期になるとホルモンバランスが乱れますし、加齢による変化やストレスで更年期障害が発生します。ほてり、のぼせ、動悸、不眠、頭痛、耳鳴り、呼吸困難、頻尿、尿の勢いの低下、股の不快感、性欲低下、勃起力低下、冷え、肩こり、筋肉痛、関節痛、発汗、口内乾燥、便秘、下痢、食欲不振、全身倦怠感、集中力低下、不安、うつ、めまいなど、多様な症状が現れます。こうした症状は精神的な問題として自覚されることが多いのですが、血液検査をしてみると男性ホルモンの値が低下しているケースはよくあります。女性は生理が乱れるなどはっきりした症状がありますが、男性は不定愁訴のことが多く気のせいとやり過ごされるかもしれませんが、上記のような症状がありましたら、1度ご相談ください。検査で大丈夫だとわかることも十分な治療と言えるからです。

性感染症(STD sexually transmitted disease)

近年、性感染症は若い方の間で増えてきています。血液、精液、粘膜等が性行為などを通じて相互に接触することで起こり、細菌、ウイルス、寄生虫、原虫などが原因になっています。そのため、検査で原因をしっかり調べ、的確な治療を受けることが必要です。
性感染症は病気によって症状の出方に男女差があり、男性にはほとんど症状がないものもあれば、女性に症状が現れにくいものもあります。ただし、症状がなくてもパートナーの方の治療も不可欠です。きちんと治さないと将来の不妊につながる可能性や、母子感染で赤ちゃんにうつってしまう性感染症も存在します。排尿時の痛み、残尿感など尿道炎のような症状が急に現れたら、泌尿器科で検査を受けてください。
パートナーの感染が判明すれば、症状がなくても診察は不可欠です。それはパートナーへの思いやりでもあります。

尿路結石症

腎臓にできた結石が細い尿管に詰まり、血尿や背中・脇腹・下腹部に強い疼痛を起こす病気です。ほとんどの場合、薬物療法などで痛みを抑えながら自然排石されるまで経過観察しますが、発熱をともなっている場合や結石が尿管を完全にふさいでしまっているなどでは体外衝撃波結石破砕術(ESWL)や経尿道的尿管砕石術(TUL)が必要になる場合もあります。結石は腎盂で大きくなり、その時点では症状が現れませんが、サイズによって腎盂内結石の治療が必要になることもあります。前立腺肥大症にともなう膀胱結石もあります。
排石した結石の成分分析をすることで予防法がわかる場合がございます。結石ができやすい条件(副甲状腺機能亢進や血液尿酸値上昇、尿のPHなど)の有無も大切です。水分は多めにとって尿を薄めるように努めてください。
また、結石は再発しやすいため、排石後も泌尿器科で定期的にチェックを受けてください。

尿道狭窄

尿道粘膜や尿道粘膜を取り囲む尿道海綿体がなんらかの原因により線維化や瘢痕化を起こし、尿が通る内腔が狭くなる疾患です。男性に多く、重症化すると自力で排尿することが不可能になって手術が必要になるケースがありますし、尿路感染症や腎機能障害を起こす危険性もあります。そのため、できるだけ早く泌尿器科を受診して適切な治療を受けてください。
原因には、外傷(自転車事故や股の会陰部を強く打ったり不適切な自慰行為など)や炎症、尿道カテーテル挿入や尿道内視鏡手術の後遺症などがあります。こうした原因によりできた尿道粘膜の傷が治癒していく過程で、尿道粘膜や尿道粘膜を取り囲む尿道海綿体に線維化や瘢痕化を起こし、その結果、尿が通る内腔が狭くなって発症します。治療は尿道腔を切開したり、金属ブジーを通したり、尿道バルーンカテーテルによる拡張術などがあります。

尿路感染症

腎臓、尿管、膀胱、前立腺、尿道といった尿の通り道が尿路であり、そこに細菌が感染して炎症が起こっている状態が尿路感染症です。尿道口から侵入した細菌が遡って感染する上行性感染がほとんどを占め、女性に多いとされています。尿路感染症には、腎盂腎炎(じんうじんえん)、膀胱炎、前立腺炎、尿道炎も含まれます。一般に腎盂腎炎と急性前立腺炎は発熱を伴います。また、細菌が入っただけの単純性のものと基礎疾患(残尿の存在、尿道が狭い、尿の逆流があるなど)がある複雑性のものがあります。治療は抗生剤の内服、注射などです。基礎疾患の治療も必要となります。

膀胱頸部硬化症

膀胱の出口付近が硬直して、残尿感、頻尿、排尿困難などが起こる病気です。原因はまだよくわかっていませんが、前立腺肥大治療の手術を受けて発症する頻度が高いとされており、男性に多い病気です。治療は内視鏡で膀胱頸部を切開します。

神経因性膀胱

膀胱には漏らさずに尿を溜めておき、排尿時には勢いよく出すという機能を備えていますが、こうした仕組みに不具合が生じて起こる病気です。原因には、脳卒中後遺症、脊髄障害、パーキンソン病などがあり、主な症状には尿漏れや、排尿困難などがあります。腎臓障害を起こす危険性もありますので、できるだけ早く泌尿器科を受診しましょう。

腎のう胞

腎臓に球状の袋ができて、そこに液体が溜まっている状態です。加齢により発症率が上がり、原因には遺伝の関与が疑われていますが、はっきりしたことはわかっていません。健康に影響がなく、症状もない場合もありますが、悪性の腫瘍をともなっている可能性もあります。また複数ののう胞ができて腎臓の働きに悪影響を与える場合もあります。そのため、超音波エコー検査やCT検査などでしっかり調べ、慎重に判断する必要があります。問題がない場合には経過観察を行いますが、腰痛などが起こっている場合には腎のう胞内の液体を吸引した後に、エタノールを注入して再発予防を行います。こうした治療を受けても再発する場合には、手術も検討します。

腎機能障害(腎不全)

腎臓の機能が低下する腎不全には、急性のものと慢性のものがあります。どちらも早期発見と早期の適切な治療を行わないと腎機能の回復が見込めない場合がありますので、できるだけ早く泌尿器科を受診してください。

急性腎不全

排尿障害が主な症状で、尿の出が悪い、尿意はあるのに尿が出ないなどがあります。

慢性腎不全

初期にはほとんど症状が現れないため特に注意が必要です。進行すると夜間などの尿量増加、目の周囲や足のむくみ、息切れ、疲れやすさ、食欲不振などが現れます。

定期検診などで血尿やタンパク尿が指摘されたら

血尿

血尿には見た目で判断できるケースと、尿検査ではじめてわかるケース(尿潜血)があります。このうち、肉眼で判断できるケースで痛みをともなわない場合、膀胱がんや腎臓がんなど、悪性腫瘍の可能性があるため、注意が必要です。尿潜血の場合も重大な病気の初期である可能性がございますので泌尿器科の専門医を受診してください。

タンパク尿

タンパク尿は体質的なものと、病気が原因によるものがあり、尿中に含まれるタンパク質の量と顕微鏡検査で診断します。一般的に1日に排出された尿中のタンパク量が1gを超えると腎臓病の、3.5gを超えたらネフローゼ症候群の可能性があります。ただし、早めに的確な治療を行うことが不可欠な膀胱炎や腎盂炎などでもタンパク尿が出ることがあるため、しっかり見極めて治療を行います。顔や手足のむくみを自覚されることもあります。

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